暑い季節になると、ビールを飲みたくなります。
あの冷たく喉越しのよい液体を、勢いよく体に流し込みたいと願う人々が、今年もビアガーデンに集うことでしょう。
一方で、アルコールが体によくないことは明らかです。
「酒は百薬の長」という言葉は、中国新王朝の王莽(おう もう)という皇帝が発した、酒の販促キャンペーンの一節だったことが知られています。
(参考記事:「酒は百薬の長」は、お酒好きに都合のいい名言…ではなかった!)
お酒に「適量」などという概念はなく、純粋に肉体の健康だけを考えるなら、ゼロであるべき。
甚だ遺憾ながら、これが事実です。
私はもともと、それほどお酒を飲む方ではありませんでした。
しかし、2020年のコロナ禍により、在宅時間が大幅に増加。閉塞的な気分を晴らすために、晩酌習慣ができてしまいました。具体的には、当時はビールや焼酎を家に常備し、週に4〜5回は飲んでいました。
このままでは良くないな〜と思っていた中、「そろそろお酒やめようかなと思ったときに読む本」という本に出会い、習慣を変更。完全ゼロにはできないものの、飲酒量を極力抑える「節酒」にシフトしています。
今回は、「節酒」のために私が実践したことを記事にしました。
飲酒量を減らしたい方や、習慣形成のテクニックを実践するテーマを探している方に、今回の記事が参考になれば嬉しいです。
ちなみに厚生労働省のHPによると、「一滴でも飲酒をしないという『断酒』だけが、アルコール依存症から回復する唯一の方法」だそうです。
節酒は甘い!とのことです。
Rewardを理解した上で、Cueを整える
名著Atomic Habitsによると、良い習慣も悪い習慣も、以下のループによって形成されています。
1.Cue(合図) → 2.Craving(欲求・渇望) → 3.Response(反応・行動) → 4.Reward(報酬)
すなわち、何かしらの視覚・聴覚・嗅覚情報などがCueとなり、Cravingが喚起され、それを満たすためのResponseが起き、Rewardを得る、という流れです。
昔の私の飲酒習慣において、各ステップは以下のようになります。
1.Cue:喉の乾きを感じて、冷蔵庫に保管された冷えたビールの存在を見つける(or 思い出す)
2.Craving:喉の乾きを、ビールで潤したいと欲する
3.Response:ビールを飲む
4.Reward:乾きが満たされ、満足感を得る。
着目したのは「4. 報酬」の部分です。
ビールでなくとも、「冷たく爽快感を得られる飲み物」であれば、それほど満足度は低下しないのではないかと考えました。
具体的な代替品は炭酸水です。当時から妻が愛飲していた商品を大量購入し、冷蔵庫で常に2〜3本冷やしておくようにしました。
その上で、自宅から酒を排除して「1. Cue.」のセッティングも完了。
炭酸水とビールが隣同士で並んでいると、どうしても誘惑に負けてしまう時があります。
その葛藤を起こさないためには、最初からお酒を置かないことが何より大事です。
ちなみに最近はラベルレスタイプの炭酸水を定期購入しています。
据え置き型サーバーは手入れが面倒 & 台所にスペースが必要で妻の許可が降りないため見送りました。
切り替えにかかった期間
最初のうちは、物足りなさを感じました。
本物のお酒に比べると、炭酸水はやはり味気ないものです。
しかし、私はもともとお酒の嗜好度は低い人間。メーカーごとのビールの味の違いもよく分かりません。
味の問題も、レモン味などの炭酸水を織り交ぜることで簡単に解決しました。
結局、3〜4ヶ月の修行期間を経て、炭酸水で十分満足できるようになりました。
もちろん、今でもお酒を飲むことはありますが、あくまで特別な機会に飲むものです。例えば帰省時の親との晩酌や、月に1回の職場飲み会などがありますが、この時も飲酒量はセーブします。
そんな生活を1年ほど続けていると、面白い変化も起きました。
お酒を飲んでも、以前ほど「美味しい!」と感じなくなったのです。
本で読んだ「酒の毒性」に関する知識が、味覚にも間違いなく影響しているのを感じます。
私がマラソンに打ち込んでいた頃、体重を適正に維持するため、甘い物やカロリーの高い食べ物を制限していました。そのような生活をしばらく続けていた当時も、そもそも甘い物を食べたいと思うことがなくなり、驚いたのを覚えています。
まとめ
ビール → 炭酸水への切り替えは、最初の数ヶ月のみ困難を感じましたが、慣れてしまえばまったくストレスを感じなくなりました。
さらには肉体面の健康だけでなく、「自分は良い習慣を続けている」という実感が、自己肯定感を高め続けてくれます。
この記事を読んでくださった方のうち、飲酒量についてお悩みの方がおられたら、「炭酸水への切り替え」を強くおすすめします!