MENU

【読書メモ】アホは神の望み 〜鈍くて深い生き方〜

この記事はプロモーションを含みます

2025年早々、感動的な名著に出会えました。
「アホは神の望み」という、人生論に関する本です。

この本のことは、野口嘉則さんの著書「心眼力」の中で次のように紹介されていたことで知りました。

遺伝子研究の世界的権威である村上和雄氏が、研究成果とご自分の人生経験を統合して、正直で大愚な生き方を提案されている本です。人生を存分に楽しむ智恵、器の大きな人間になるための智恵にあふれていて、タイトル同様に内容にもインパクトがあります。

「心眼力」より

たしかにタイトルは刺激的で、遺伝子研究の第一人者が書かれた本とは思えません。
こうした紹介文がなければ、書店やAmazonで見かけてもスルーしていたでしょう。

私は一応理系の人間なので、何でも理詰めで理解したがる傾向が強いです。
同時に、頭でっかちにならずに肚(はら)の部分で感じて意思決定することの大切さも認識しています。
そんな私にとって、遺伝子研究という超・理系分野の方がたどり着いた人生論にはとても興味が湧きました。

読んでみたところ名言・金言のオンパレードで、まさに「大当たり」と思える良書でした。
自分の備忘と、この本を少しでも世の中に広めるため、今回の記事を書きます。

目次

刺さった言葉たち

神様はアホな人間が好き

神の好きなものは「器の大きなバカ」「素直で正直なアホ」なのです。安っぽくものごとを考えず、早わかりしない。鈍で重だが、深く大きく思考する。そうした人が遠回りをしながらもたしかな成果をあげ、時間はかかるけれど、いちばん遠くまで行く。
知識豊富な者ほど、ものごとを否定的な視点から見る。(中略)できない理由を見つけることに関してすごく頭がいい。

本書より

偏差値教育の中では優等生だった私にとって、いきなり深く刺さる言葉でした。

過去の自分を振り返っても、大小様々な事柄に対して「できない理由探し」を重ねてきました。
もうすぐ35歳を迎える今、根本的なスタンスの転換の必要性を感じています。

結局、「自分の脳内で繰り広げられるセルフトークにいかに敏感になるか」がすべてだと思うので、これからも内省習慣を続けます。

ナイト・サイエンスの世界

偶然や直感など、およそ「科学らしくない」ことから得られる成果をナイト・サイエンス(夜の科学)といいます。これに対して、理性的で客観的、知識や論理が支配するのがデイ・サイエンス(昼の科学)ですが、科学というのは、この論理の世界と感性の世界を両輪として進歩してきたといえるのです。

本書より

「ナイト・サイエンス」という言葉は本書を読んで初めて知りましたが、第一線で活躍された村上氏のような科学者の間で「偶然や直感は当然重要である」という認識があることに驚きました。

ひとつひとつ精緻な理論を組み立てていくことを当たり前にしながら、同時に感性を駆使して得られる示唆も大切にする。
これからAIが飛躍的に発達していく未来にあっても、言葉で説明できない「直感」は人間にしか持ち得ないものであり、磨かなければならないものです。

直線的な人生と、曲線的な人生

人よりいい成績を上げて、いい学校、いい会社へ入り、勝ち組の椅子を得るために決められたコースを一直線に突き進む。最短距離で先を急ぐ。そういう戦後的生き方のモデルはほんとうに私たちに真の幸せをもたらしてくれたでしょうか。それよりも回り道もあれば寄り道もある、蛇行や曲線を厭わずじっくり進む鈍く愚かでアホな生き方のほうが、よほど私たち人間に生物としての豊かさや多様性、深みや厚みを与えてくれるのではないか。

本書より

この文章を読んだ時、まるで村上先生が私に向けて書かれているのではないかと思いました。

偏差値教育の申し子(自称)として、良い大学・大きな企業に入り、そこそこの出世を目指し、日常生活でもとにかく「効率」を目指して生きてきました。
そんな青年期を終えて30代中盤に差し掛かった今、ようやく立ち止まって人生についてある程度深く考えることができるようになってきたと感じます。

具体的には、「充実した職業人生を送ること」を軸に転職し、ライフ・コーチングの受講や書籍を読みながら人生のテーマを考え、日常でも「無駄を楽しむ」を意識して時間を過ごすようになりました。

管理人のつぶやき

本書に書かれていた「正しくて浅い思考」というひとことは、私の心に最も深く突き刺さりました。

心と体と遺伝子の関係

ひと口に心が体に影響を与えるといっても、そこには遺伝子の働きが深くかかわっているのです。
(中略)アメリカでは、西洋医学だけに頼る医療の割合が半分を切ろうとしているというデータがあります。その代わりに、漢方薬、鍼灸、瞑想、音楽、信仰などが医療に及ぼす影響についての研究が活発化して、国も予算を出して、この代替医療を積極的に活用するよう奨励しているのです。

本書より

15年以上前に書かれた本なので、2025年の今はさらにこの傾向が進展していると思われます。

私も昨年末に父のがんが判明してから医療関係の本を何冊か読みましたが、最新医療の進歩の目覚ましさと、「西洋医療と非・西洋医療の組合せが大切」という考え方がスタンダードになりつつあることを知って衝撃を受けました。

村上先生は臨床の分野でも、心と体と遺伝子のつながりを解明するための実験をおこなっています。
そのひとつが「吉本興業の漫才を見て笑った糖尿病患者は、血糖値の上昇が顕著に抑えられる」というものです。
この実験結果は世界に衝撃を与え、遺伝子との関連を詳細に調べる研究も進んでいるそうです。

「病は気から」のように今まで精神論として片付けられてきたことが、科学の力によって証明されつつあるということは、純粋に興味深いことです。

管理人のつぶやき

私の人生経験上は、「病は気から」は半分以上真実であると思います。

まとめ

今回は村上和雄氏の著書「アホは神の望み」の読書メモを記事にしました。

この本が出版されたのは2008年。私が大学に入った年です。
「もっと早くこの本に出会いたかった」と思いつつ、18歳当時の私が読んでも得られるものはわずかだったでしょう。少なくとも、新卒でベンチャー企業に入ろうという思考にはならなかったと思います。
大企業の光と闇の部分を見て、自身もある程度の苦労を重ねてきた今だからこそ、この本から受け取れるものがあります。

後悔先に立たず。今から先の人生をより良くするため、今日も読書を続けます!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

良い習慣と「ハクナ・マタタ」の精神で、充実した人生を目指す30代男です。
教育ベンチャーへの転職を機に、ブログとTwitterを始めました。

【興味・関心】
・勉強、内省、読書、子育て、筋トレ
・英語学習を継続中:TOEIC 現在945

目次