「今から集中するぞ!」と意気込んで机に向かっても、ふとした瞬間にスマホを手に取り、気づけばYouTubeで1時間経過…
または、「ちょっと横になろう」とベッドに横になったが最後、気づけば昼寝で午後が終わっている。
お恥ずかしい話ですが、そんな経験を何度もしてきました。
そして最近ようやく、「ひとりで頑張ろうとしてはいけない」という、シンプルながら本質的な事実に気づきました。
今回の記事では、この気づきを実践に落とし込む方法を書きます。
仲間を作る
聖書『Atomic Habits』には、“Get an accountability partner.”(説明責任のあるパートナーを作れ)という教えが出てきます。
人は誰かに見られている、報告しなければいけない、と思うだけで意志力が高まります。逆に、誰にも見られておらず、報告する必要もないことは、いとも簡単に流れます。
Knowing that someone is watching can be a powerful motivator. You are less likely to procrastinate or give up because there is an immediate cost. If you don’t follow through, perhaps they’ll see you as untrustworthy or lazy.
“Atomic Habits” Chapter17より
(和訳)誰かに見られていることは、強力なモチベーションになり得る。「即時のコスト」が存在するため、先延ばしや途中でやめる可能性が低くなる。あなたが決めたことを守らなければ、相手はあなたを信用できないか、怠惰な人とみなすだろう。
ということで、「accountability partner を作る方法」を考えます。
パートナー候補としては、主に以下の3つのグループがあります。
- 1 近い知人(家族・友人・同僚など)
- 適切な人がいれば最適な選択肢
- 「この人に失望されたくない」という心理が働きやすい
- 2 遠い知人(SNSなど)
- 例:X上で1日の学習目標時間を宣言 & 実績を報告
- 一定のモチベーション維持にはなるが、顔が見えないことと、人数が多すぎることから「自分がいてもいなくても誰も気にしていないのでは?」という感覚に陥りやすい(経験談)
- 3 完全な他人
- 図書館などの自習室に居合わせた人たちと一緒に頑張る感覚
- 同じ空間を共有していることで緊張感が生まれる

サウナに何分間入っていられるか赤の他人と心の中で勝負するのも、3に近いかもしれません。
「3 完全な他人と頑張る」が効果的と考える人は世の中に沢山いるようで、最近ではそのようなサービスも出てきています。
そのひとつとして、Focusmateというサービスがあります。
同僚の勧めでやってみたところ一定の手応えがあったので、以下に内容を紹介します。
Focusmateの紹介
概要
Focusmateは、オンライン上で見知らぬ人と1対1のペアを組み、お互いを監視しながら集中して作業に取り組むためのサービスです。
世界中の「集中して作業したい!」と願うクリエイティブな人たちと、一瞬でつながることができます。
【Focusmateの概要】
- セッション時間:25分 / 50分 / 75分 から選択
- 言 語:英語(Quiet Modeを選べば会話不要)
- 開始時:作業内容を宣言
- 作業中:ビデオをONにして互いを監視
- 終了時:成果を報告
体験記
昨日、初めてのFocusmateセッションを体験しました。
お相手はインド在住の女性。黄色い壁紙がカレーを想起させました。
「学校のレポートを書く」と宣言されたので、私は「IELTSの模試を解きます!」と宣言しスタート。
作業中はときどき画面の女性をチラ見する程度で、ほぼ集中できました。
ちょうど相手の方と目が合った瞬間は緊張感が走りましたが、そのおかげで、ひとりであればスマホに手が伸びていたであろう瞬間や、背後のベッドで横になっていたであろう瞬間にも自制できた感覚がありました。
50分経過後、終了を告げる通知音が鳴ります。
お互いに簡単な成果報告をしあって、笑顔でお別れ。笑顔は世界を平和にすることを実感しました。
(参考)
Quiet modeを使えば、会話することなく以下のようなテンプレをチャットボックスに打ち込むだけでOKです。
- 開始時:
I’m going to start working on ~~. Good luck to both of us! - 終了時:
I completed ~~! I’m glad we worked together. Thank you!
Focusmateの良いところは、「完全な他人」とのちょうど良い距離感です。
気を遣いすぎず、サボることもできない、絶妙な関係性が成立しています。
仮に私が少々サボったとしても、相手の方は特に何も感じないとは思います。
ただ、作業中は「勤勉な日本人のイメージを崩してはいけない」という、国を代表しているような妙な責任感がありました(笑)
おわりに
人間は、ひとりでは驚くほど自制心が弱くなります。
だからこそ、「誰かと一緒にやる」仕組みを意識的に作ることが必要です。
大切なのは、少しでも良さそうを思ったものをまずは実行に移すこと。
今回紹介したFocusmateはそこそこハードルの高い方法ですが、合う人には強力なツールになりえます。(他のユーザーを調べていたところ、累計セッション回数が4000を超える猛者も複数名いました)
1人での集中力維持に限界を感じている方は、ぜひお試しください!



