「この本、1ヶ月前に感動しながら読んだはずなのに、中身をまったく覚えていない…!」
この悩みはほぼ全人類共通だと思います。
私もその一人で、ひどい時は読んだこと自体を忘れていることもありました。

先日、書店で平積みされていた「うまくいっている人の考え方」という本を衝動買いし、帰宅後にKindle上で見つけた時の悔しさはしばらく引きずりそうです。
学びを風化させず、継続的な行動に変えるには「思い出す仕組み」が必要です。
そのために私が実践している方法が、「学びを付箋に書いて貼る」というもの。
やることはとても地味ですが、たしかな効果を感じています。
実践しやすく、確実に行動変容につながる──そんな習慣を今回はご紹介します。
Simple is best.「学び付箋」の3ステップ
① 学びを「ひとこと化」する
読書した後や研修に参加した後、「今回の最大の学びは何か?」を自身に問いかけます。
【学びの例】
- 「Whyと聞きたくなったら、WhatとWhenを聞く」 (参考書籍:「なぜと聞かない質問術」)
- 「夫婦関係では、パートナーの良いところにだけ目を向ける」 (詠み人知らず)
大切なのは、インプットした内容の中から、「自分にとって最重要な一つ」に絞り込むこと。
「あれもこれも!」となるより、結局この方が本の読み方も深くなると感じています。
(※もちろん、詳細なノート等は別途作るべきです)
② 付箋に書く
ひとこと化したら、心を込めて丁寧な字で付箋に書きます。
このとき、日付と出典も添えるのがポイントです。
これらの付帯情報が、「学びの背景」まで呼び起こすトリガーになります。


③ 付箋を貼る
最後に、「その学びを思い出したい場面で目に入るような位置」に付箋を貼ります。
【貼る位置の例】
- 自室のドア(妻と話す前に心を整える)
- パソコンのモニター横(仕事中のヒント)
その上で、付箋が目に入るたびに「今、これできてる?」と自身に問いかけるようにします。
この習慣は、「学びを行動に移すスイッチを、日常生活の中に配置すること」とも言い換えられます。
聖書Atomic Habitsで言うところの、“Make It Obvious.”(分かりやすくせよ)の実践です。
【注意事項】
慣れとは恐いもので、1週間くらいの割と早い段階で、付箋が風景と一体化します。
スルーしないよう、定期的に新しい付箋に書き直す・貼る位置を微妙に変える等の泥臭い努力が必要です。
私のBefore・After
この習慣によって、私には以下のような変化がありました。
今年の6月頃から始めたので、現時点で3ヶ月近く「意識・実践し続けられている学び」もあります。
Beforeの私
- 30代半ばに入って加速した忘却スピードに絶望
- 本を読んでも、数日後には何も残っていない
- メモアプリに書いても見返さない
- 研修に参加しても、「いい話だったな」で終わる
Afterの私
- 定着率3.5倍(過去の自分比)
- 学びが行動変容につながる機会が増えた
- 付箋を見ていない時も、「あ、これ付箋に書いてたやつだ!」と思い出す瞬間が増えた(=進研ゼミ効果)
おわりに:オリジナルの「人生の辞書」を作ろう
付箋に書いた言葉たちは、思考を望ましい方向に導く羅針盤になります。
定着したと感じた付箋は捨てるのでななく、ノートなどに蓄積していくことをおすすめします。
その一覧をときどき読み返すだけでも深い気づきを得られますし、復習のために再登板する付箋も出てくるでしょう。
初期投資は付箋とボールペンのみ。費用は数百円です。
ぜひ今日から、1枚目の付箋を貼ってみてください!



