TARO展に行ってきました
先日、TARO展(岡本太郎氏の作品展覧会)に行って来ました。
写真撮影OKのため、私を含めて皆さん沢山の写真を撮っていました。
個人的には絵画よりも、色彩は地味ながら原始的な彫刻作品群により惹き込まれました。
こちらのドローイング(線画)には、余白部分に寸法の比率の計算をしたと思われる痕跡があり、太郎氏の肉声に触れたような、不思議な感覚がありました。
展示の終盤には、火傷しそうなくらい熱い太郎氏の言葉達が。
3年前の私なら、さして響かなかったかもしれません。
おそらく、「そういう生き方もあるよね(…けど自分には無理かな)」という程度の感想しか持たなかったと思います。
今の私には、転職を決断して間もないということもありますが、ものすごく刺さる言葉たちでした。
今回の選択を応援してもらっているような気持ちになりました。
事前勉強におすすめのコンテンツ
今回の展覧会への参加に先立って、YouTubeで太郎氏のことを少し勉強しました。
いくつか動画を観た中で、「サイトウミュージアム」という方の説明がとても分かりやすかったので紹介します。
チャンネル登録者数や知名度に関係なく、良質な動画を作ってくださっている方はおられることを実感。サイトウ氏に感謝です。
■サイトウ氏の動画リンク
【岡本太郎ー前編ー】日本が誇る反逆の芸術家を徹底解説!
【岡本太郎ー後編ー】天才ピカソに叩きつけた挑戦状!その代表作を一挙解説ッ!!
太郎氏の生き様を知りたい方は、ぜひ上記の動画をご覧いただきたいと思います。
数年前まで「大企業に定年まで勤めて、退職後は穏やかな老後を送る」という人生設計をしていた自分とは、完全に対照的な人物です。
人生を通じて貫かれた彼の美学には、感動と畏敬の念を覚えます。
『自分の中に毒を持て』
太郎氏の著書「自分の中に毒を持て」も読了しました。
自分の人生に真剣に向かい合うことの大切さについて、これ程までに熱く説いた本は他にないのではないでしょうか。
先日の自己紹介記事で挙げた、転職活動中の私に影響を与えた5冊の本の中にも同様のメッセージはありますが、本書はまるで赤く熱せられた鉄のような情熱を感じました。
以下、同書から一部を抜粋します。(強調は筆者)
若い人たちに言いたい。ただのなまぬるいサラリーマンになることは容易だ。しかし、そこではほんとうの自分をごまかして、画一化するより他はないのだ。それよりも、自分の目、手でふれる、だからこそ危険な道をきりひらいて行くべきだ。
決して遅くはない。諦めて、投げてしまってはならない。あえて敗れることを決意して、社会にぶつかるのだ。それによって、さらに大きな、輝かしい人間像を形成していくのである。
(第二章「個性は出し方 薬になるか 毒になるか」より)
「日本人」は変身しなければならない。
政治家よ、エコノミストよ、官僚よ、もっと人間になってほしい。そして芸術家に。
芸術家といっても、何も絵を描いたり、楽器を奏でたり、文章をひねくったりすることではない。そんなことはまったくしなくても、素っ裸で、豊かに、無条件に生きること。
(第四章「あなたは常識人間を捨てられるか」より)
まったく無償に夢をひろげていくこと。ナマ身で運命と対決して歓喜するのがほんとうの生命感なのだ。そのような全存在的充実感をとり戻すのでなければ、何のためのテクノロジーか、とぼくは思う。
(第四章「あなたは常識人間を捨てられるか」より)
2023年、私は「自分の人生を生きよう」と思い、転職を決意しました。
まさに「全存在的充実感をとり戻す」ために、もがいている真っ只中です。
漠然としていた私の願いを、太郎氏が明確に言語化してくれたように感じました。
昨年、「限りある時間の使い方」という本がベストセラーになりましたが、同書の「生産性マインドからの脱却」という考え方は、太郎氏の「生きるとは、本来無目的なもの」という主張に非常に近いものを感じました。
これは、習慣形成において最も重要な視点だと思います。
私たちは、ほぼ無意識的に、生産性マインド(=何かの役に立つことをしなければならない)に囚われて、習慣化するものを選びがちです。
しかし、「何が良い習慣か?」は人によって違います。
当たり前ですが、皆が私と同様にランニングや英語学習をする必要はありませんし、私がベンチプレス100kgを目指して筋トレをやる必要もありません。
間違いなく万人が持った方がいい習慣といえば、読書くらいではないでしょうか。(これも議論が分かれるかもしれませんが)
他でもない自分の人生を本当に豊かにするものを分かっていることが何より大事で、それを明らかにするために本を読み、実体験を重ね、内省を繰り返したいと思います。
今日から「芸術家」になろう
太郎氏は、「すべての人が芸術家(=自分の人生に真正面から向き合う覚悟を決めた人)としての情熱を己の中に燃え上がらせること」を一貫して大衆に訴え続けた方でした。(展覧会パンフレットより)
という訳で私も芸術的な活動をやってみようと思い、帰り道にストリートピアノに挑戦しました。
観客はおらず、ミスタッチもあってとても満足のいく演奏ではありませんでしたが、太郎氏のおかげで「それでいい」と思えました。
むしろ下手の方がよいのだ。笑い出すほど不器用であれば、それはかえって楽しいのではないか。平気でどんどん作って、生活を豊かにひらいていく。そうすべきなのである。
(第四章「あなたは常識人間を捨てられるか」より)
TARO展では、私と似たペースで鑑賞する一人の男性(20代前半・学生と推定)がいました。
私と同じ作品で立ち止まり、同じくらいの時間鑑賞して、次の作品に移動する。
どうやら私と近い感性を持っている方のようです。
彼の心にも、きっと太郎氏のメッセージが刺さったのではないかと思います。
時代を越えて、今も多くの感動を与えてくださっている岡本太郎さんと、展覧会関係者の方々に改めて感謝します。
■余談:私のピアノ経験について
ピアノは小学校の頃に4年間ほど習っていて、今でも細々と続けている状況です。
実はストリートピアノもこの日が初めてではなく、これまでに何度か挑戦しています。(変な汗をかきながら頑張る父の姿を見てか、娘もピアノに興味を持ち始めてくれているようです)
ブログを始めて以降、色々と新しいことをやりたい気持ちが出てきており、ヤマハの体験レッスンに行ってみようかと思い始めています。
ちなみに、フジ子・ヘミング氏の名言「間違えたっていいじゃない、機械じゃないんだから」も、ピアノを弾く時の心の支えになっています。
●TARO展の物販コーナーで購入したマグネットシート(385円)↓
妻に撤去されるまでは、冷蔵庫に貼っておこうと思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] こちらの記事もどうぞ 【人生観と習慣形成】TARO展で感じたこと 【TARO展に行ってきました】 愛知県美術館で開催中の、TARO展(岡本太郎氏の作品展覧会)に行って参りました。 写 […]
[…] あわせて読みたい 【人生観と習慣形成】TARO展で感じたこと 【TARO展に行ってきました】 愛知県美術館で開催中の、TARO展(岡本太郎氏の作品展覧会)に行って参りました。 写真撮影 […]